上級国民/下級国民 橘玲
2019年 10月 15日
私は「上級国民」というと池袋母子死亡事故の加害者の元通産官僚で工業技術院の元院長である飯塚幸三氏しか思いつかないのですが、この本は飯塚元院長についての話ではありません。
著者曰く、世の中では上級国民と下級国民なるものが存在しており、ここ最近は下級に落ちていっている人々が世界中で増えてきており、上級と下級の差がドンドン大きくなっているという話です。
日本では、ニートの8050問題などでモロ下級国民が増えているのは目の当たりにしておりますが、その反面AIやテクノロジー系の知識・キャリア・スキルなどを突き詰めている人間やYOUTUBERなどのクリエイティブな人々はドンドン上級になっていくようです。
じゃあ具体的にどうしろと言う内容ではなく、事実を淡々と書かれているような印象でした。
また、本の中に出てくる幸福度の調査やフリーター調査というのも興味深かったです。
今のトランプ政権を支持しているのが白人の下級国民層であり、人生に絶望している人が多いようで、時代の変化や環境の変化についていけなくなった元中流層であるようです。
そしてそういった人々は自分が白人であることにしかプライドを持てないので、白人至上主義になるみたいです。その他、リベラルや非モテや未婚の母、貧困などなかなか普段は見えてこない部分にフォーカスした内容盛りだくさんの作品となっております。