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ここ最近思ったこと。(人材エージェント編)

最近はアルケゴス、ビル・ホアンやCVCの東芝買収などのニュースが世間を騒がせておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?



私はシンガポールで通算15年近く人材エージェントに勤務しており、金融業界を担当しているのですが、ここ最近の人材業界内(主に日系)の動きは目まぐるしいです。



特に、コロナになってからは、撤退するところや実質休眠している会社なども出てきており、業界の景気の悪さを痛感します。私が過去に在籍した日系のエージェントも従業員の数が明らかに減少しております。



実は、今月で以前勤めた会社の同期入社だった方が職場を去るとの話を風の噂で聞いたのですが、そうなるとこれで私と同期入社のメンバー5人(日本人4人ローカル1人)全員が約4年ちょっとの期間で職場を去るかたちになります。個人的にその方はもっと長くやるだろうと見ていたので、正直驚きましたが、やはり色々事情があって転職をされるのだと思います。



特にコロナ禍の今、シンガポールという国で外国人が生きていくのは以前より難しくなってきており、そのような状態でシンガポールにしがみつく理由などがそこまでなくなっているのかもしれないですね。



そもそも雇ってくれる会社が無ければ当地で生活はできませんし、雇用主がある程度の収益を上げ経営をうまく回せていないのであれば、雇用もいずれ打ち切られる可能性があり、非常に不安定な時代になってきております。



以前はDP(配偶者ビザ)保持者の場合はLOC(雇用主が発行するレター)発行で就業が可能でしたが、それも来月からは不可になり、外国人の就業環境は更に厳しくなっております。



日系のエージェントではDP保持者に特化して就職セミナーを行っていた会社もあったので、そういったエージェントは一旦、また戦略を変えていかないと厳しいですね。エージェントによっては10年以上そのセミナーをやっていたところもあると思いますので、今回のルール変更はかなり影響が出るのではと思います。



このようなルール変更含め、想定外のことが起こる時代では先を見通す力とどのように対処していくか、どういった形でビジネスを行っていくかなどの戦略が非常に重要になるかと思います。



正直、私がシンガポールに来た2007年にはこのような状況になるとは予想していませんでしたし、当時、周りを見渡す限りさほど劇的な変化もなく、当時の状況がずっと続くように感じていました。もちろん、2009年のリーマンショックの影響も多分に受けましたし、リストラもありました。ただ、それでも今のような国境封鎖のような状況にはなっておりませんし、仕事が見つからず帰国というケースもそんなにはなかったと思います。就労ビザも今よりはずっと取りやすかったです。



私のイメージですが、現時点が株で言うと底値で、これから徐々に値上がりしていくという感じですが、外国人ジョブマーケットにおいては国内と比べ大分緩やかに上がっていくのだと思います。



暫くは底値の状態が続くと思いますので、そこで他社人材エージェントがどのような新たなる戦略でビジネスを行うのかが気になるところです。


また、景気が良くなった際に、新規参入のエージェントや様々なシンガポール在住日本人をターゲットにしたビジネスが入ってくると思いますので、そのあたりを良く観察していきたいと思います。



by singapore2012 | 2021-04-10 17:56 | その他

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by Kayama