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シンガポール就労ビザ取得可能な最低給与額についてアップデート!②地味にヤバくなっております。

今年の7月にシンガポール就労ビザ取得可能な最低給与額についてアップデートし、9月1日から更に引き上がるという投稿をしましたが、今回9月1日以降で実際にビザ取得可能な最低給与額がどのように変わったのかざっくり調べてみました。

結論から申し上げますとかなり厳しくなりました。正直もうシンガポールでは駐在員や会社のオーナーや社長・幹部、自営業者、高給な専門職の方々しかEP(Employment Pass=就労ビザ)を取得して働くのは難しいかと思います。

シンガポールに15年おりますが、2011年位から徐々にEPの最低給与額が上がっていき、当時月収S$3-4K=30-40万円で働く事務や秘書、コールセンターなどで働く方々のEP取得や更新が厳しくなりSPASSやDPにLOCの形での採用に多くが切り替わっていきました。その後もジワジワ上昇し月収S$5-6Kの職の方々、主に外銀などのオペレーション(ミドル・バック)の方々のEPが取得・更新が難しくなり、大手外銀などは従業員を若い人材に入れ替えたり、SPASSなどで対応しました。(ちなみに、チームの要になる人材には昇給をさせて引き続きEPの保持などもサポートしておりました。)

というような感じでドンドンEPの取得が難しくなっており、コロナ前後でも更に取得可能な最低給与額が上がり、シンガポールを離れた方々も複数名見てきました。そして今月からの更なる上昇。

正直私ももし永住権を持っていなければ、このタイミングでシンガポール国外への転職を真剣に検討していると思います。その位上がってます。

私の場合は40代前半なのですが、大学がカテゴリー2ですので、EP取得となるとS$9,600(96万円)出ないと今後は無理のようです。ちなみに、もし私が金融業界勤務の場合はS$10,500(105万円)必要です。

参考までに私の調べた情報を下記に載せておきます。あくまで私調べなので、詳細はご自身で確認ください。
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新卒22年(22歳)


非金融業界

東大  カテゴリ1/ S$5000

慶応  カテゴリ2/ S$5500

金融業界

東大  カテゴリ1/ S$5500

慶応  カテゴリ2/  S$6000

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まず、上記の数字だと新卒で金融業界でカテゴリ2の場合S$6K出ないとEP取れないという難易度、S$6Kというと今までの金融業界の相場であれば3-4年経験ある方というイメージです。(IBDを除く。但し当地に外国人向けのIBDの案件はほぼありません。)ですので、金融業界での新卒シンガポール就職はEPではほぼ無理と考えても良いかもしません。

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27歳(大体新卒から5年位働いたということで)


非金融

東大 カテゴリ1/  S$6000

慶応 カテゴリ2/  S$6500

金融

東大 カテゴリ1/ S$6600

慶応 カテゴリ2/ S$7000

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実際年齢的にこの世代で日本から転職してくる人が多いです。(多かったです。)30歳前で一度海外で働きたいという方々ですね。シンガポールの金融業界だとこの年齢でS$6K台の給料というケースはあるので、そこまで難しくはないと思いますが、カテゴリ2の場合はS$7Kなので、これはそれなりに専門性があり、日本での就業の段階で800万円位稼いでないと厳しいですね。また、非金融でもS$6K台になるので、これはかなり厳しいと思います。相当強みや専門性が高いなどでないと厳しいかと思います。(コンサルファームでのコンサル・シニアコンサルなどは大丈夫そうですね。)
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35歳(30代中盤)


非金融

東大 カテゴリ1  S$8000

慶応 カテゴリ2  S$8300

金融

東大 カテゴリ1 S$8800

慶応 カテゴリ2 S$9000

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所謂中堅世代ですね。まず非金融だと管理職などになってないと厳しい給与額になってますね。金融の場合は、フロントだと少し安めの水準でミドル・バックだと結構高めでチームリーダー以上の水準になります。
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42歳(我らが松坂世代) 


非金融

東大 カテゴリ1 S$9500

慶応 カテゴリ2 S$9600

金融

東大 カテゴリ1 S$10500

慶応 カテゴリ2 S$10500

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私の世代です。非金融だとこの水準はコンサルファームでのマネジャー以上ですね。後は、IT関連のプロマネなどでしょうか。金融業界だとS$10K超えてますので、基本非金融業界のミドル・バックではほぼ出ない水準ですね。フロント業務及び、かなりシニアなARMやオペレーション部門のボスなどになります。

あと、良くわからないのですが、この世代になると金融業界は大学のカテゴリが異なっても同じ金額になってます。エラーかな?

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52歳ベテラン世代


非金融

東大 カテゴリ1 S$10500

慶応 カテゴリ2 S$10500

金融

東大 カテゴリ1 S$11500

慶応 カテゴリ2 S$11500

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この世代は非金融も金融も大学のカテゴリでの差がなくなってます。

ただ、この世代まで頑張ってシンガポールで働いている方々は既に永住権お持ちか、それなりの幹部などになられて高給であったりしますので、そこまで影響はないのかもしれません。50代の候補者からの問い合わせなどは正直かなり限られております。また、いてもかなり高給な場合が多いです。


ということで、今回は上記の情報をシェアさせていただきましたが、今後はシンガポールに残るもしくは新たにいらっしゃるのは上記で記載した通り、駐在員や会社のオーナーや社長・幹部、自営業者、高給な専門職の方々が中心の日本人になるかと思います。一方、所謂、新卒でのシンガポール就職はEPの場合かなりハードルが上がり、外銀などのオペレーション部門でS$6-7KでEPで働いていた方々の更新が難しくなるようなイメージです。ちなみに、ここ最近はDP(配偶者ビザ)保持者向けにワークパミットを取得して事務・秘書として採用するケースも増えて来ているようです。


最近では東南アジア就職でもタイ・マレーシアやインドネシアなども人気のようなので、海外で挑戦したい若者はまずはそういった国々を目指すのも良いかもしれませんね。それで、その後上手くキャリアを積んで専門職人材になれれば、シンガポールに来るというようなルートも面白いですね!





by singapore2012 | 2022-09-04 00:55 | シンガポール転職・就職事情

シンガポール金融業界での転職・就職をお考えの金融プロフェッショナルの方々向けに情報を発信しております。EA Reg No. R1105666(嘉山)


by Kayama