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カテゴリ:本の紹介( 15 )

邪悪な世界のもがき方: 格差と搾取の資本主義で生き残るための株式投資-鈴木 傾城


所謂、CDの“ジャケ買い”のような“本のタイトル買い”です。タイトルがなかなかインパクトがあり、サンプルを読んでみたらなかなか面白く、買ってすぐ読んでしまいました。


世の中の格差の話から入り、ではどうやって弱者はもがけばいいのか?という話になっていきます。資本主義の中では、労働に価値を置くのではなく、株式資本に重きを置くべきとの話になります。


そして、どの株式市場に投資するのか?云々の話しになってきます。


若い頃からアジアを放浪している著者の独特な目線での話になりますが、確かにこういう見方・考え方もあるのかと、非常に新鮮な感じでした。


私自身、単一銘柄の株式投資はしていませんが、このやり方であればありかもと思わせてくれるような弱者、個人投資家向けの投資方法について書かれております。

読むとわかりますが、説得力はわりとある方だと思います。


内容も難しくなくスラスラ読めてまあまあ参考になりました。



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by singapore2012 | 2018-10-17 23:02 | 本の紹介

「税金亡命 -佐藤 弘幸 」


久々の本の紹介です。著者は、「富裕層のバレない脱税」の著者でもある佐藤弘幸さんです。


前回、「富裕層のバレない脱税」を読んだ際に、なかなか面白かったので、こちらも読んでみました。ちなみに、リリースされたのが、「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」と同じタイミングだったこともあり、正直、あまり気にしてなかったのですが、この本も「プライベートバンカー」同様に面白いです。


過去に読んだ、橘玲さんの「マネーロンダリング」を彷彿されるような内容で、富裕層の主人公が不動産売却で得た利益をそのまま香港にキャピタルフライトさせるところから始まるのですが、その指南役である会計事務所、香港側のファンドハウスなどが出てきます。また、その会計事務所には、元国税OBもおり、現国税とのやり取りも興味深いです。


そして、国税側も負けておりません。資料調査課主査が様々なネットワークなどを生かして主人公を追い詰めます。特に、香港税務局の人間も協力し、最終的に査察部(マルサ)も動くのですが……これ以降はネタバレになるので、書きませんが、なかなか読み応えがあり、実際の国税側の動きや富裕層側のスキームなども詳しく記載されており、勉強になります。


秋の読書にいかがでしょうか?





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by singapore2012 | 2018-10-14 18:58 | 本の紹介

富裕層のバレない脱税―「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで (NHK出版新書 526) 新書    佐藤 弘幸


ここ最近連続で読んでいるのプライベートバンカー本の流れで、今回の脱税系の本を読んでみました。


まず一言で言うと世の中の税金における“ダークウェブ”的な内容を事細かく且つ、比較的体系的に書いてあります。※ダークウェブはインターネット用語で、ものすごい簡単に言うと一般人にはわからない、見れない世界ということですね。


そして、著者元国税局で課税第二部資料調査第二課(リョウチョウというらしいです。)にもいた佐藤弘幸さんです。この方、国際税務もかなり知ってます。


序章、「なぜ人は脱税をするのか?」から始まり、まずは、国内の庶民の方々が行う脱税についての解説、「水商売系の脱税の話、バー、クラブ、風俗、デリヘル」などはかなり多いみたいですね。お金のやり取りが見えにくく且つ、現金商売なので結構見つけるのが大変そうです。


そして、「宗教法人」の脱税事情、具体的なスキームなども書いてあり、非常に勉強になりました。宗教法人もヤクザのフロント企業みたいなものを信者にやらせてそこから売上を差っ引くみたいなことをやっているところもあるようです。また、あとは休眠している“宗教法人”を買い取ってそれを基に脱税なども可能なようです。

これであれば、金儲けのために宗教ビジネスを始める人間がいてもおかしくはないですね。


あとは、「中小企業の脱税について」中小だと圧倒的に相続税を如何に払わない、減らすか問題ですね。

ここまでが第一章で、著者いわく、このような庶民レベルの脱税ノウハウは当局の方が納税者側よりもわかっているので、ナメてはいけないとのことです。


まあ、そこまでテクニカルなものではないですし、所詮、国内の話なので、余裕なんでしょうね。


 第二章からが、本番です。「「富裕層」のバレない脱税」ということで、国外へのキャピタルフライトが始まったタイミング、「山一證券の破綻の翌年に外為法改定で、海外口座の開設が個人でできるようになります。」という説明から入り、海外での様々な脱税スキームの紹介です。


著者は元国税及び、現在税理士などもやっているだけあり、かなり良く知ってます。


最近話題の金(インゴット)の密輸の話もあります。ちなみに、本日、密輸集団が大阪国税局に8.5億追徴されましたね。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180828-00000088-jij-soci

この本を読んでいたので、このニュースの背景がわかり、かなり反応してしまいました。


そして、富裕層についての話、当局の富裕層への対応や、タックスヘイブンについての説明、生命保険スキームなどの説明もあります。オフショア法人を使っての相続のための大掛かりなスキームもあります。


ただ、10年ルールが適用の今は、かなり完了までに時間がかかりそうですね。とはいえ、それでも良いくらいの租税回避ができるんでしょうね。


そして、ループホール(法の抜け穴)を利用する人々についての説明。


パナマ文書やノミニー制度の話、ラブアン島、最後に国税の国際戦略トータルプラン(情報リソースの充実、調査マンパワーの充実、グローバルネットワークの充実、租税回避スキームの把握)についてです。


そして最後の第三章、「暗躍する「脱税支援ブローカー」たち」庶民的な、B勘定屋(タクシーの架空請求や、水商売の白紙領収書など)、反社を立てにする方法から国税OB税理士、国税との癒着などの話です。


そして「世界をまたにかけて脱税を支援する悪いヤツら―プロモーター」(書き方がエグい・・・)ファンドハウス、プライベートバンク、投資銀行、海外不動産ブローカー、コンサルタントと名乗る人々について書いてあります。


ちなみに、プライベートバンクの部分で、清武英利さんの「プライベートバンカー」についても触れている(ちょうどこの著者の「税金亡命」という本を同じタイミングで出版したらしいです。)のですが、著者はBank of Singaporeについてはかなり詳しく知ってます。


香港などで色々PBとお付き合いがあったんでしょうね。そして、投資銀行が該当するのが意外でした。


そしてあとがきですが、結論として「脱税はなくならない」ということです。

国税の能力、納税者のモラル、国際税務のループホールなどの理由から完璧な徴税は難しいとのことです。


そして、著者は「脱税する大人たちは、むしろ制度や執行をよく勉強していて、これなら租税回避できると判断して実行している。最近では、悪いヤツらというよりも、彼らはただの「大人の知的ゲーム」として楽しんでいるのかもしれないと私は思うようにもなっている。」「租税回避はインテリでなくては考えつかないし、プロモーターに対する報酬や海外拠点を維持する費用を出せる富裕層でなければスキームを遂行できない。つまり「持てる者」が楽しめるゲームなのかもしない。」と言ってます。


私もこれを読んで思いましたが、脱税はなくならないです。そして、特にキャピタルフライトなど海外のオフショアなどを使ったスキームは国と国との関係にもなるので、日本だけ頑張ってももうまいくいかないので、恐らくこの状況は変わらないかと思います。


そもそも国の存亡をかけてオフショアなどにしている国からしたら、都合が悪いですからね。


もう世界中の 国VS国VS国 で富裕層や企業の取り合い(誘致で)、バトル・ロワイヤルで良いと思います。(笑)


ということで、今後も「大人の知的ゲーム、持てる者が楽しめるゲーム」を続けていく感じですね。


富裕層・企業 VS 国税のゲームですね。 楽しそうです。 ついでにこの著者の書いた「税金亡命」という本も読んでみようと思います。






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by singapore2012 | 2018-08-28 22:51 | 本の紹介

プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書) 杉山智一


ここのところプライベートバンキング(PB)業界に個人的にハマっており、立て続けにPB関連の本を読んでおりますが、今回もシンガポールにゆかりのあるプライベートバンカーの本です。


杉山さんは彼がシンガポールにいらっしゃった時から存じ上げておりますが、PB業界ではかなり有名な方ですね。

なんてったって“プライベートバンカー カネ守りと新富裕層(清武 英利)”の主人公ですからね。この本は数年前に読んでなかなか衝撃でした。(まあ、私はずっとシンガポールで金融業界担当なので、この本が出る前から色んなところから情報が入ってきており、大体のことは知ってはいましたが…)


ちなみに、この方も元野村証券出身ですので、前回紹介した“プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?――その投資法と思想の本質”の著者である冨田さんの先輩になりますね。


さて、今回の本ですが、前回紹介した冨田さんの本に比べるとかなり実践的というか、投資スキームの具体的な説明が多く、運用スキームという面でかなり勉強になります。


特にオフショア生命保険購入に際し、PBからの借り入れの利子返済の際に、別途レバレッジをかけて購入したファンドのリターンで賄うという“スギヤマスペシャル”というのは勉強になりました。


恐らく、現役PBの方々にとっては、比較的一般的なんでしょうけど、自分としては業界の方々からザックリ聞いていて断片的だった情報がこれを読んでスッキリ整理されました。


そして、個人的にはハイイールド債にも興味をもちました。この本を読むとザックリであれば、“スギヤマスペシャル”を使った富裕層の相続税対策のアドバイスができるようになりそうですね。


ただ、アマゾンのレビューでは“なぜに金持ちがレバレッジをかける必要があるのか?”というコメントがやや目立ちましたが…そう言われると確かにですね。また、マーケットが逆回転したときのリスクもありますね。


スキームの良し悪しについては賛否両論ありますが、スキームを理解するという部分では非常に勉強になった一冊です。


そして、今回も感じたのですが、日本の相続税55%は高いですね。ただ、逆に言うとこの相続税がなくなるか相当低い税率になれば、富裕層は日本で運用するように(あえて、国外に出なく)なりそうですけどね。


まあ、日本の税金が今後、安くなることはなさそうですが…寧ろいつか非居住者にも所得税の支払い義務とかなりそうで、怖いですけどね。


ちなみに、日本の相続税ですが、「第2次世界大戦後。GHQ(連合国軍総司令部)の下で出された「シャウプ勧告」により抜本的に見直された。財閥など一部の富裕層に富が集中するのを防ぐため、最高税率は1950年に90%に引き上げられ、遺産が長男に集中しないよう制度も改められた。その後、最高税率は75%→70%と段階的に引き下げられ、2003年の税制改正では50%になったが、2015年1月の改正で55%に引き上げられた。(日経新聞)」ということらしいです。


こういう背景であれば、理解はできますが、現在の富裕層は財閥以外の人々も多いので、もう少し下げても良いかと… 









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by singapore2012 | 2018-08-07 15:11 | 本の紹介

プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?――その投資法と思想の本質 冨田和成

今回も非常に良い本を読んだので紹介させてください。


著者はシンガポールの金融業界では有名な冨田和成さんです。元野村証券のプライベートバンカーをされていらっしゃった方です。シンガポールではSMU(シンガポール経営大学)のウェルスマネージメントの修士号を取得されて、現在はZUUOnlineを立ち上げて金融関連の情報を日本や世界に提供されております。


著書は、他にも「鬼速PDCA」「営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて」「大富豪が実践しているお金の哲学」をなどがあり、いつくかは読ませていただきました。ただ、PDCA関連は若干テクニカルになっており、正直、退屈感があり、途中で止まってしまってます…やはり私は金融業界担当のリクルーターなので、「大富豪が実践しているお金の哲学」や今回の本がより興味があるんです‥‥「大富豪」の本も良かったのですが、今回の本は更に良かったです。


というか、ここまでプライベートバンカーの手の内を明かしてしまって大丈夫なのかという位です。そして、この1500円という値段で非常に内容が濃く、コスパ抜群の本になっております。


前半はプライベートバンクを使う富裕層について、それからプライベートバンクについて、

プライベートバンクと富裕層がつながる背景、プライベートバンクの資産運用の原則・資産運用法、庶民にも出来るプライベートバンク的資産運用法などになります。

とにかく、情報が盛り沢山です。全体的なプライベートバンクの成り立ちや現在の至るまでの流れなどが非常によくわかります。


また、日本の税制(特に相続税)などの状況についてもしっかり説明されており勉強になります。寧ろ、こういうことを知らないとかなり損をしたり、今まで築いてきた大事な資産などがなくなってしまうんだなと(ものを知らないということは非常に危険だと)感じました。


また、富裕層のレベルになると如何に資産を取られないようにするかという政府(国税)との戦い的な構図になるんだなあとしみじみ思いました。

富裕層は庶民とは違う苦労があるようです。そして、それを助けるのがプライベートバンカーです。この仕事は相当博識じゃないと出来ないですね。相続税の話から、運用商品についての知識、富裕層のご子息の学校情報から住宅情報、事業承継など様々です。


もちろん、プロの専門家である、弁護士・会計士やその他の専門家などとチームを組んで行うようですが、プロジェクトを進めるプロマネはプライベートバンカーになりますので、様々な知識や能力が必要になります。


常に勉強してないと無理ですね。まあ、著者は相当の勉強家ですから、かなり色んなことを知っていますが、著者レベルのプライベートバンカーは正直、シンガポールにもそこまでいないのではと思っております。(今はプライベートバンカーではないですが…)

というのも、この本を読んでているだけで、実際に彼に手ほどきを受けているような気になり、本ですら、非常に納得感や発見があります。そりゃ、お客さんが沢山つく筈です。



あとは、プライベートバンクの金融商品の部分は非常に勉強になります。私自身も結構知っているつもりでしたが、まだまだですね。ハイブリット債などはあまり得意ではなかったので、勉強になりました。


そして、最後の方は私のような庶民向けの運用方法もしっかり記載され、早速色々やってみようかと考えております。

兎に角、盛り沢山の内容で、少なくとも私には値段以上の価値ありの本でした。


夏休みに読んでみては如何でしょうか?





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by singapore2012 | 2018-08-01 22:29 | 本の紹介

株主の利益を引き出す「アクティビスト」の投資戦略

前回投稿した「ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏」への反響が非常に良かったので、調子に乗って、また、本の紹介をしちゃいます。


今回は、アクティビストファンドの本です。前に村上世彰さんの本も紹介しましたが、この本はより実務的な投資の部分について書いている本です。


著者は、クラッシーキャピタルマネジメント株式会社代表取締役CIOです。弱冠32歳です。(予想より若くて驚きました。)


「外資系投資銀行にて株式アナリスト等を経験した後に国内ヘッジファンドにて運用(日本株L/S)に従事。2012年に独立し、ClassyActivist Fundを設立。現在は米国ニューヨークおよびカリブ海のケイマン諸島に本拠地を構え、活躍の場を広げている。」


かなりファンド内部事情や手の内を明かしており、ここまで言って大丈夫なのかという感じではありましたが、非常にわかりやすくかなりアクティビストファンドのスキームが頭に入ってきます。


かなりザックリですが、とりあえず、時価総額より含み資産が大きいところで株主が銀行などと株の持ち合いで過半数以上握ってないところが狙い目らしいです。


この本を読んでいると著者の言い分「内部留保の多い企業がそれを従業員の給与アップや競合買収や自社株買いをしていった方が結果的に更に時価総額が上がり、企業もファンドもWIN-WIN」がかなり納得感があり、寧ろ、アクティビストファンドがもっと昔から活躍出来てれば、日本の失われた20年もなんとかなったのかもしれないという気持ちになります。



寧ろ、アクティビストファンドが今後も活躍すれば日本の景気が良くなるのではと思わせる本です。実際そうなんでしょうかねということで、アクティビストファンドはもう少し深掘りする必要ありそうです。ちなみに、この本にはシンガポールにあるアクティビストファンドも出てきます。



「アクティビストファンドって実際何やってるんだろう?」という方にはおすすめの一冊です。ちなみに、この本は残念ながらキンドル版はないです。日本で買ってください。


PS:著者の名前でYahoo検索したのですが、無登録でファンドの募集又は私募の取扱いを行っていたようで関東財務局から警告を受けてました。笑 何があったんでしょうか?気になります。




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by singapore2012 | 2018-07-20 22:53 | 本の紹介

「ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏」

久々に、読んでて全く飽きない本でした。

元日産自動車の技術者である著者が社費留学でMITMBAからゴールドマン・サックス(GS)に入社して、米国及び、日本にて数々の資金調達やM&Aをしていく話です。1990年のGSを現場の視点から垣間見れるのですが、今のGSのイメージと大分違う印象でした。

個人的には昔のGSの方が良い印象を持ちました。(著者曰く、モルスタなどの競合やマッキンゼーなどのコンサルファームに比べフレンドリーで横柄で嫌な奴タイプではないようです。)


また、1990年から2000年代、私が小学生から大学生になる間の様々な大きなM&Aをバンバンやっております。各ディールの詳細が垣間見れてかなり面白かったです。IB(投資銀行)の仕事はかなりタフだとは思いますが、これだけ規模も大きく中身も面白ければ、死ぬほど頑張れるんでしょうね。


DDIIDOKDD社合併

●ロッシュによる中外製薬買収

NKK・川崎製鉄経営統合

GEキャピタルの日本リースのリース事業買収

●ダイムラー・クライスラーの三菱自動車への資本参加

●日立製作所によるIBMHDD事業買収

●三菱商事のローソンへの資本参加など。


また、個人的には著者のビジネスに対するマインドが自社(GS)の利益よりも、まずは、顧客の利益を最優先することにより、長期的には信頼を得られ、それが長期的に会社も儲かるという「Long Term Greedy」という精神であることに感動しました。

 

私も、仕事においては採用企業及び、候補者の利益最優先でやっているつもりです。少なくとも目先の利益のために無理やり何かをしたり、嘘をついたり適当なことを言ったりしたことはありません。


候補者については一人の人間の人生ですし、企業にとっても要になる人材の採用ですので、適当な紹介などをしたことはありません。

客観的に見てミスマッチである紹介やどちらか片方があまり乗り気でない採用であれば、無理に進めませんし、止めるようにアドバイスすることもあります。

 

ただ、ここ最近は、自分の考えとは相容れない会社の短期的利益のみだけを考えて動いている人たちを目の当たりにしてきてかなり驚いております。


確かに、売上も大切ではありますが、紹介の責任というものがあります。ミスマッチなまま押し込むような紹介は私的にはありえないです。それをしなくてはいけないのであれば、私は売上が悪くても良いと考えてます。


著者も最終的にはGSの社長と仕事に対する考え方が合わず、退職されたようです。


社長との反りが合わず、降格もあったようですが、それは全然気にしないところも生き様として非常にかっこいいと思います。

そして、GSにこんな方がいたことに驚きです。


退職後は、大学のMBAなどで教えるのですが、それも以前から考えていたようで、しっかりした人生計画を持っている方だなと思いました。


また、社外取締役などもやって色々なところで企業にも貢献されており、非常に良いキャリアの積まれ方をされております。


私のGSのイメージはかなり、殺伐としていてとにかく“Speak up”していくカルチャーという風にこちらの人事担当者に聞いていたので、かなり冷酷なものでしたが、この本を読んで大分イメージが変わりました。


また、本の最後の方にはMBA準備の話やMBAでの話、日産退職の話などもあり、盛りだくさんの内容となっております。

非常に面白い1冊です。ご興味のある方は是非、読んでみてください。





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by singapore2012 | 2018-07-12 00:40 | 本の紹介

リクルート事件・江副浩正の真実  江副 浩正


前の職場から、現在の職場に転職する時に、漠然とリクルートの海外拠点に入社するというイメージだった。

社内のシステムや業務のオペレーションなども所謂、日本のリクルートのやり方で、統一されているものだと思っていた。


実際はリクルートが買収した日本にある外資系エグゼクティブ・サーチファームのやり方がメインの会社だった。


もちろん、リクルートの海外展開ブランドではあるので、全く関わりがないわけではなく、一部の経営層は日本のリクルートの役員を兼任しており、偶にシンガポールに来る。買収が多くなかなかPMIが難しい部分もあり、経営陣は色々苦労もしているようだ。


今年度からブランドも統一化して更にグループとしてのプレゼンスも出していくようだ。


さて、そんな中、今回の本は「リクルート事件・江副浩正の真実」である。リクルートといえば、「リクルート事件」である。私が小学校低下学年の時に良くテレビで見たあの事件である。子供だったので、何のことかさっぱりわからなかったが、竹下内閣の退陣は覚えている。


正直、今回この本を読むまでは「リクルートが贈賄をして、捕まった」というレベルの知識であった。なので、リクルートと聞くと贈賄をした悪い会社というイメージがやや先行していた。


実際、読んでみると創業者の江副さんは非常に繊細な方だなぁという印象が強く、且つ真面目で自ら進んで私利私欲のために、贈賄をやるような感じの人ではない(ほぼ見返りを求めていない)という感じがした。


未公開株が賄賂として渡されたという事件だったが、実際、江副さん本人はそういった意識がなく、譲渡しており、この点での検察や世間との温度差がかなりあったように感じる

また、当時の大手証券会社などの幹部は、企業が上場するときに公開前の株を持ってもらうこと自体は常識だった言っている。


検察側も贈賄の立証にかなり時間をかけたようで、そのくらい立証が難しい状況だったようだ。


印象深かったのが、「国会で未公開株譲渡問題を追及していた社民連の衆議院議員楢崎弥之助がコスモス株の譲受人名簿を提出するようリクルートに要求した際に、リクルートコスモス社長室長を介しリスク管理の専門家としてリクルートに入社した田中辰巳(現・株式会社リスクヘッジ代表取締役社長)が楢崎の要請は金銭の要求だと強く主張、これを受けリクルート常務がコスモス社社長室長に楢崎との接触を指示。


楢崎が翌日に予算委員会の質問を控えた84日以降、コスモス社社長室長は手心を加えるよう赤坂の議員宿舎や福岡の自宅まで何度も押しかけ贈賄を提案。」

やがて、これが世間に出てしまうという最悪の結果になる。


普通に考えると「なぜにこの期に及んで贈賄するのか?」となるが、この状況は非常に今のインドネシアの状況に似ていると感じた。


インドネシアは賄賂社会なので、相手が賄賂を要求している空気を読み取ってスムーズに渡すということがかなり重要になり、ビジネスやそれ以外でも重要になってくる。(もちろん、今はジョコ・ウィドド大統領が頑張ってなくそうとしているが、現状はまだ難しい状況だ。)


リクルート事件の時代では、まだ日本もそういった文化があったのだろう。ということは、インドネシアも数十年後には大分良くなるんだろうか。

 

また、拘置所へ収監されてからの検事の取り調べが、パイプ椅子を蹴ったり、土下座させたりとかなりエグい。しかも、かなり司法取引も多く、嘘の調書への署名をする代わりに執行猶予にしてやるとか、昔の取り調べは密室で大分、やりたい放題だったようだ。


結局、判決として懲役3年執行猶予5年となったが、13年もの年月がかかったという、なかなかの効率の悪さであった。


裁判終了後、何年か経って以前自分の担当検事だった人間とオペラの会場で会うのだが、普通に話して、「検察側も大変だったんだなあ」という感想を述べているが、こういった点からも江副さんはかなり人が良いんだと感じた。


リクルートが求人広告媒体ビジネスなどで当時に急激に伸びており、今で言うベンチャーのような会社で、勢いがあり、他の業界やマスコミ、世間などから余り良くは思われてはなかったところに、未公開株の話が出て来て、マスコミなどの過激な報道及び、当時の消費税案導入を遅らせるために野党が大分大きく取り上げ、このような大きな事件になったようだ。


この点は、以前ライブドア事件で捕まった、ホリエモンやインサイダーで捕まった村上世彰にも似たところがあるような気がした。時代の寵児的な人たちは、日本ではある程度、世間やマスコミなどの空気を読まないと大変なことになってしまうようだ。


2013年に76歳でなくなっているが、きっと面白い人だったに違いない。もう少し早く知っておきたかった人物だ。





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by singapore2012 | 2018-04-05 01:06 | 本の紹介

「生涯投資家」村上 世彰

村上世彰さんと言うと、思い出すのがニッポン放送株をめぐるインサイダー取引で逮捕、モノ言う投資家、アクティビストファンドというようなイメージでした。
当時20代前半だった自分は、ホリエモンが若くして、企業や球団を買収しようとするのをみてかなりワクワクした記憶があります。村上さんはホリエモンの相談役、ブレイン的なイメージを勝手にもってました。
 ただ、実際、村上世彰さんがどういう人で、実際何をやっていてなぜインサイダーで捕まったとかもしっかり調べたことがなかったので、漠然としか知りませんでしたが、
この本でしっかり、彼の心情や考え方など、また実際に何が起こってどう考えて行動をとったのかなどが良くわかりました。更に、本の中で「コーポレート・ガバナンス」という言葉がなんども出て来るのですが、実際あまりピンとこなかったりするわけですよ。ただ、この「コーポーレート・ガバナンス」がまさに村上さんが一番大切だと考えていることで、この本を読むとかなりしっかり、「コーポーレート・ガバナンス」について理解できます。
 今は、シンガポールにて暮らしているようですが、東南アジアの不動産投資やNPO、飲食などへの投資もされているようです。常に活動的且つ、アグレッシブに生きている方だなーと感じました。料理がかなり上手いようです。おでんとチャーハンが得意なようですが、一度、食べてみたいですね。




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by singapore2012 | 2017-08-30 23:13 | 本の紹介

闇ウェブ (文春新書) セキュリティ集団スプラウト


本は色々同時進行で読んでますが、この本を読み始めると他の本は止まってしまいました。
そのくらい、面白いです。

以前、前の会社の同僚にサーフェイスウェブ/ディープウェブ/ダークウェブの話をちらっと聞いて震撼したのですが、この本にしっかり詳細が書いてあって、更に震撼させられました。自分も高校生くらいからインターネット(当時はダイアルアップ式)を使っていますが、所詮サーフェスウェブやディープウェブレベルの使用のみであって、ダークウェブの世界を知りませんでした。

簡単に説明するとサーフェイスウェブは一般的にgoogleやyahooなどの検索エンジンレベルで検索して調べられるレベルの範囲であって、ディープウェブはパスワードなどがないと見れない範囲になります。そしてダークウェブは通常の検索エンジンにも引っかかりませんし、そもそも通常のブラウザーでも見れないレベルの範囲のもののことを言うようです。では、どうやって見るのというとTor(他にもあります。)とかいうシステムをダウンロードして、使うようです。

通常のyahooのように整備されてないので、検索などは面倒そうですが、入り口と途中と出口のノードとかいうドアのようなところで暗号化のようになっており、誰がアクセスしているかわからないような仕組みになっているようです。よって、そこでやり取りした場合は誰が相手なのかもわからないですし、そのやりとりを解析することはほぼ不可能なようです。

そして、アンダーグラウンドの住人が麻薬の売買など違法なやり取りに使用しているようです。ちなみに、殺人請負ビジネスなどもあるようですが、これはかなり眉唾ですね。ただ、もし本当に行われていたとするとかなり怖いですね。読み進めていくと全体がどんな感じなのかわかってきます。

そんな中、日本を含めた国々でIoTとか勧めてますが、個人的にこれは結構ヤバイんじゃないかと思います。医療機器や車、その他色々なものがハッキングされてハッカーに全て操られたら、ハッキングで殺人とか普通に起きそうですね。特に、日本はITセキュリテー面で世界的にかなり遅れているようなので、世界中からガンガンやられそうなので、早急にセキュリティー対策などは進めて欲しいですね。

ちなみに、この本を書いたスプラウトはホワイトハッカーなどで構成されているようです。このレベルの人々にもっと大々的にセキュリテー対策を日本全体でやってほしいですね。
ただ、個人的に思いますが、ホワイトハッカーの仕事とか楽しんでしょうねー。そして、今後は、こういう人材ニーズがもっともっと高くなるんでしょうね。

是非、おすすめの本です。お盆休みにどうでしょうか?





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by singapore2012 | 2017-08-08 23:54 | 本の紹介