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カテゴリ:本の紹介( 7 )

リクルート事件・江副浩正の真実  江副 浩正


前の職場から、現在の職場に転職する時に、漠然とリクルートの海外拠点に入社するというイメージだった。

社内のシステムや業務のオペレーションなども所謂、日本のリクルートのやり方で、統一されているものだと思っていた。


実際はリクルートが買収した日本にある外資系エグゼクティブ・サーチファームのやり方がメインの会社だった。


もちろん、リクルートの海外展開ブランドではあるので、全く関わりがないわけではなく、一部の経営層は日本のリクルートの役員を兼任しており、偶にシンガポールに来る。買収が多くなかなかPMIが難しい部分もあり、経営陣は色々苦労もしているようだ。


今年度からブランドも統一化して更にグループとしてのプレゼンスも出していくようだ。


さて、そんな中、今回の本は「リクルート事件・江副浩正の真実」である。リクルートといえば、「リクルート事件」である。私が小学校低下学年の時に良くテレビで見たあの事件である。子供だったので、何のことかさっぱりわからなかったが、竹下内閣の退陣は覚えている。


正直、今回この本を読むまでは「リクルートが贈賄をして、捕まった」というレベルの知識であった。なので、リクルートと聞くと贈賄をした悪い会社というイメージがやや先行していた。


実際、読んでみると創業者の江副さんは非常に繊細な方だなぁという印象が強く、且つ真面目で自ら進んで私利私欲のために、贈賄をやるような感じの人ではない(ほぼ見返りを求めていない)という感じがした。


未公開株が賄賂として渡されたという事件だったが、実際、江副さん本人はそういった意識がなく、譲渡しており、この点での検察や世間との温度差がかなりあったように感じる

また、当時の大手証券会社などの幹部は、企業が上場するときに公開前の株を持ってもらうこと自体は常識だった言っている。


検察側も贈賄の立証にかなり時間をかけたようで、そのくらい立証が難しい状況だったようだ。


印象深かったのが、「国会で未公開株譲渡問題を追及していた社民連の衆議院議員楢崎弥之助がコスモス株の譲受人名簿を提出するようリクルートに要求した際に、リクルートコスモス社長室長を介しリスク管理の専門家としてリクルートに入社した田中辰巳(現・株式会社リスクヘッジ代表取締役社長)が楢崎の要請は金銭の要求だと強く主張、これを受けリクルート常務がコスモス社社長室長に楢崎との接触を指示。


楢崎が翌日に予算委員会の質問を控えた84日以降、コスモス社社長室長は手心を加えるよう赤坂の議員宿舎や福岡の自宅まで何度も押しかけ贈賄を提案。」

やがて、これが世間に出てしまうという最悪の結果になる。


普通に考えると「なぜにこの期に及んで贈賄するのか?」となるが、この状況は非常に今のインドネシアの状況に似ていると感じた。


インドネシアは賄賂社会なので、相手が賄賂を要求している空気を読み取ってスムーズに渡すということがかなり重要になり、ビジネスやそれ以外でも重要になってくる。(もちろん、今はジョコ・ウィドド大統領が頑張ってなくそうとしているが、現状はまだ難しい状況だ。)


リクルート事件の時代では、まだ日本もそういった文化があったのだろう。ということは、インドネシアも数十年後には大分良くなるんだろうか。

 

また、拘置所へ収監されてからの検事の取り調べが、パイプ椅子を蹴ったり、土下座させたりとかなりエグい。しかも、かなり司法取引も多く、嘘の調書への署名をする代わりに執行猶予にしてやるとか、昔の取り調べは密室で大分、やりたい放題だったようだ。


結局、判決として懲役3年執行猶予5年となったが、13年もの年月がかかったという、なかなかの効率の悪さであった。


裁判終了後、何年か経って以前自分の担当検事だった人間とオペラの会場で会うのだが、普通に話して、「検察側も大変だったんだなあ」という感想を述べているが、こういった点からも江副さんはかなり人が良いんだと感じた。


リクルートが求人広告媒体ビジネスなどで当時に急激に伸びており、今で言うベンチャーのような会社で、勢いがあり、他の業界やマスコミ、世間などから余り良くは思われてはなかったところに、未公開株の話が出て来て、マスコミなどの過激な報道及び、当時の消費税案導入を遅らせるために野党が大分大きく取り上げ、このような大きな事件になったようだ。


この点は、以前ライブドア事件で捕まった、ホリエモンやインサイダーで捕まった村上世彰にも似たところがあるような気がした。時代の寵児的な人たちは、日本ではある程度、世間やマスコミなどの空気を読まないと大変なことになってしまうようだ。


2013年に76歳でなくなっているが、きっと面白い人だったに違いない。もう少し早く知っておきたかった人物だ。





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by singapore2012 | 2018-04-05 01:06 | 本の紹介

「生涯投資家」村上 世彰

村上世彰さんと言うと、思い出すのがニッポン放送株をめぐるインサイダー取引で逮捕、モノ言う投資家、アクティビストファンドというようなイメージでした。
当時20代前半だった自分は、ホリエモンが若くして、企業や球団を買収しようとするのをみてかなりワクワクした記憶があります。村上さんはホリエモンの相談役、ブレイン的なイメージを勝手にもってました。
 ただ、実際、村上世彰さんがどういう人で、実際何をやっていてなぜインサイダーで捕まったとかもしっかり調べたことがなかったので、漠然としか知りませんでしたが、
この本でしっかり、彼の心情や考え方など、また実際に何が起こってどう考えて行動をとったのかなどが良くわかりました。更に、本の中で「コーポレート・ガバナンス」という言葉がなんども出て来るのですが、実際あまりピンとこなかったりするわけですよ。ただ、この「コーポーレート・ガバナンス」がまさに村上さんが一番大切だと考えていることで、この本を読むとかなりしっかり、「コーポーレート・ガバナンス」について理解できます。
 今は、シンガポールにて暮らしているようですが、東南アジアの不動産投資やNPO、飲食などへの投資もされているようです。常に活動的且つ、アグレッシブに生きている方だなーと感じました。料理がかなり上手いようです。おでんとチャーハンが得意なようですが、一度、食べてみたいですね。




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by singapore2012 | 2017-08-30 23:13 | 本の紹介

闇ウェブ (文春新書) セキュリティ集団スプラウト


本は色々同時進行で読んでますが、この本を読み始めると他の本は止まってしまいました。
そのくらい、面白いです。

以前、前の会社の同僚にサーフェイスウェブ/ディープウェブ/ダークウェブの話をちらっと聞いて震撼したのですが、この本にしっかり詳細が書いてあって、更に震撼させられました。自分も高校生くらいからインターネット(当時はダイアルアップ式)を使っていますが、所詮サーフェスウェブやディープウェブレベルの使用のみであって、ダークウェブの世界を知りませんでした。

簡単に説明するとサーフェイスウェブは一般的にgoogleやyahooなどの検索エンジンレベルで検索して調べられるレベルの範囲であって、ディープウェブはパスワードなどがないと見れない範囲になります。そしてダークウェブは通常の検索エンジンにも引っかかりませんし、そもそも通常のブラウザーでも見れないレベルの範囲のもののことを言うようです。では、どうやって見るのというとTor(他にもあります。)とかいうシステムをダウンロードして、使うようです。

通常のyahooのように整備されてないので、検索などは面倒そうですが、入り口と途中と出口のノードとかいうドアのようなところで暗号化のようになっており、誰がアクセスしているかわからないような仕組みになっているようです。よって、そこでやり取りした場合は誰が相手なのかもわからないですし、そのやりとりを解析することはほぼ不可能なようです。

そして、アンダーグラウンドの住人が麻薬の売買など違法なやり取りに使用しているようです。ちなみに、殺人請負ビジネスなどもあるようですが、これはかなり眉唾ですね。ただ、もし本当に行われていたとするとかなり怖いですね。読み進めていくと全体がどんな感じなのかわかってきます。

そんな中、日本を含めた国々でIoTとか勧めてますが、個人的にこれは結構ヤバイんじゃないかと思います。医療機器や車、その他色々なものがハッキングされてハッカーに全て操られたら、ハッキングで殺人とか普通に起きそうですね。特に、日本はITセキュリテー面で世界的にかなり遅れているようなので、世界中からガンガンやられそうなので、早急にセキュリティー対策などは進めて欲しいですね。

ちなみに、この本を書いたスプラウトはホワイトハッカーなどで構成されているようです。このレベルの人々にもっと大々的にセキュリテー対策を日本全体でやってほしいですね。
ただ、個人的に思いますが、ホワイトハッカーの仕事とか楽しんでしょうねー。そして、今後は、こういう人材ニーズがもっともっと高くなるんでしょうね。

是非、おすすめの本です。お盆休みにどうでしょうか?





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by singapore2012 | 2017-08-08 23:54 | 本の紹介

多動力 (NewsPicks Book) 堀江貴文 (著)

ホリエモンの本は結構読んでいて、今回の内容も以前の本と重複する部分があったからか、かなり早く読めました。

まあ、いつもながら勉強にはなるのですが、今回ちょっと気になったのが、「フリック入力」です。ホリエモンはこれを使って
ほぼパソコンのキーボードで打つのと同じ位の速さで出来るようで、今はあまりパソコンは使ってないようです。

ということで、自分も早速iPhoneのかな入力をフリック入力のみに切り替えました。

....やりにくいです。106.png ただ、何度も同じキーを押さなくて良いので、これは極めればかなり早くなりますね。
昼頃からフリック入力のみにして、今は結構、慣れてきました。ということで、皆さんもご興味あればフリック入力トライしてみてください。



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by singapore2012 | 2017-06-09 22:52 | 本の紹介

乗ってはいけない航空会社

元JALのパイロットでかなり熟練の方が書いた本なので、非常に説得力があります。まあまあ、自分の予想に近い状況ではありましたが、韓国勢が意外と過去に事故が多いのは意外でした。元パイロットならではの視点で書いてあるので、面白い反面ディテールが有り過ぎて若干飽きる部分もありましが、概ね良かったと思います。
出張が多いビジネスマンは航空会社や機材・機体などもやはり拘った方が良いんでしょうね。勉強になる本でした。
最終的にこの著者がパイロット養成学校を作ればかなり、事故は減りそうですけどね。







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by singapore2012 | 2017-06-09 01:55 | 本の紹介

Black Edge by Sheelah Kolhatkar


久々の洋書です。内容もまあまあ複雑なこともあり、読み終わるのにかなり時間を要しました。
ただし、その価値アリです。いつもは、洋書だと途中で飽きてしまうこともあるのですが、今回はまったく飽きず、
常に会社の行き帰りに読んでおりました。
 
さて、どういった内容かと言いますと、簡単に言えばヘッジファンドのインサイダートレーディングの話です。
メインの人物はスティーブコーエンというSAC Capitalという唸るようなパフォーマンスを出していたヘッジファンドの創業者です。ここの運用に絡んで、ファンドのメンバーが巧妙にインサイダー情報をリサーチ会社からの紹介を受けた専門家達や投資対象の会社の内部の人間などから抜いていきます。そうして、物凄いパフォーマンスを出してくのですが、SEC(Securities and Exchange Commission)やFBIなども黙ってはおりません。主にインサイダートレーディングを行っていた(情報収集担当)スタッフは捕まり、9年の実刑を喰らいます。そして、コーエン自体はファンドとしてUS18億ドルの罰金という高額な罰金を払い上手く実刑は免れるという話です。
 
そして、この本の題名の「Black Edge」 ですが、どういうことかと言いますと、White Edgeは一般的に誰でもネットなどから入手できる情報。そして、Gray Edgeは微妙なラインの情報。Black Edgeはインサイダー情報、所謂、公にされていない内部の一部の人間しか知らない情報という意味だそうです。
よって、このBlack Edgeで沢山稼いでいたファンドの話ということになりますね。

ファンドのメンバーがかなり個性的な人物が多くその描写やFBI・SEC側の人間からの視点での描写もあり米国のヘッジファンドを知るという意味でも
非常に勉強になり、楽しめた本でした。皆さんも是非、ご興味あれば、お読みください!




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by singapore2012 | 2017-05-28 00:59 | 本の紹介

最近読んで面白かった本のコーナー「あやしい投資話に乗ってみた」藤原久敏

結構前に、オーチャードの紀伊国屋におすすめ本で置いてあったので、気になっておりました。先日、キンドルで買って読んでみました。著者はFPなのですが、かなりの投資好きの方で、身銭を切ってガンガン怪しい投資商品にトライしていきます。度々、「このヒトは本当にFPなのだろうか?」と思う場面も出てきますが、兎に角、出て来る商品が面白いです。和牛オーナー、海外ファンド、超高金利の銀行に預金などは途中でファンドや銀行自体がなくなってしまったり、もうほぼ博打の域です。その反面、未公開株などは勉強になりました。これを読でおけば、とりあえず、ある程度はその投資話がヤバイのか否か判断できそうですね。是非、第二弾を期待です。

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by singapore2012 | 2017-03-26 11:48 | 本の紹介